しかし、彼のキャリアには光だけでなく、影もあった
その背景には、チームメートたちの証言が明かす苦悩や選手としての挫折、さらには悲劇的な結末が隠されている
「ワシに聞くなんてよっぽどやろ」川藤幸三に仰いだ助言
1986年、バースは再びそのバットで球場を沸かせていたが、時折訪れる不調に悩まされていたそんな時、彼は川藤幸三に助言を求めた
川藤は、「お前が怖いから、相手はボール球を投げてくる
それに付き合うことはない」とアドバイス
バースはこの言葉に支えられ、再び輝きを取り戻し、2年連続の三冠王を達成した
しかしながら、チームは3位に終わり、翌年にはまさかの最下位となった
シーズン途中にまさかの退団…迎えた“悲劇的な結末”
1988年、来日6年目のバースは、長男ザクリーの病気が発覚し、アメリカでの治療を希望球団は一時帰国を認めたが、そこで高額な治療費を巡る対立が生じた
この問題がこじれ、バースは解雇通告を受けることに
事態は野球の枠を超え、掛布を巡る監督との問題も表面化し、阪神に「お家騒動」のレッテルが貼られた
そして、球団の新任代表古谷真吾の心労が重なり、悲劇的な結末を迎える
7月19日、古谷は自ら命を絶った
まとめ
バースの成功と崩壊は、阪神タイガースの歴史の中で特異なエピソードであり、多くの人々に感動と教訓を与えた彼のキャリアの中で出会った仲間たちとの絆や、困難を乗り越えた瞬間は、今でも語り継がれている
ランディ・バースの物語は、成功と挫折が交錯するドラマの連続だ。プロ野球界で頂点を極めた選手が、個人的な事情やチーム内の問題によってそのキャリアを絶たれる姿は、多くのファンの心に深い悲しみを与える。
キーワード解説
- 助っ人とは?:外国から来て、その国のスポーツチームのためにプレイする選手のこと。
- 三冠王とは?:野球で打率、ホームラン、打点の3つの部門で1位を獲得する選手のことで、非常に少ない業績である。
- お家騒動とは?:チームや球団内の人間関係が悪化し、内輪もめが起きること。

