佐賀県鳥栖市に住む中学1年生の西尾彰人さん(12歳)は、生まれつきの難病「左心低形成症候群」を抱えながらも、ソフトバンクの主力選手である近藤健介選手(32)の活躍を励みに日々を過ごしている
左心低形成症候群とは、心臓における左心室の形成不全を示す病気で、生まれたときから正常な血液循環ができないため、治療には数回にわたる手術が必要とされる
西尾さんは生後3日目から小学4年生までに4回の重い手術を経験し、常に車椅子生活を送り、酸素吸入が不可欠な身体状況だ
西尾さんはスポーツを自らプレーすることが難しいものの、地元九州チームのソフトバンクを熱心に応援しており、その情熱はひときわ強い
特に近藤選手がチームに加入して以来、その存在が大きな励ましとなっており、母のしおりさん(39)は「近藤選手に夢中になることで、親子で新たな共通の話題が生まれた」とその嬉しさを語る
8月19日、西尾さんは「メイク・ア・ウィッシュ・オブ・ジャパン」福岡支部の支援により、ついに憧れの近藤選手と対面する機会を得た
福岡市のみずほペイペイドームにて、近藤選手は優しい笑顔で西尾さんに「こんにちは近藤です
何でも質問してくださいね」と声をかけた
緊張のあまり質問の内容を即興で変更し「好きな食べ物はなんですか?」と尋ねる西尾さんに、近藤選手は温かく応じた
その後、近藤選手は自らの打撃用手袋を西尾さんに渡し、「今日、ヒットを打てるように頑張りますね」と約束
果たしてその試合で、近藤選手は見事な右前適時打を放ち、チームの逆転勝利に強力に貢献した
この出来事に西尾さんも大いに喜んでいた
しかし、9月には近藤選手が怪我でスタメンから外れる場面も見られたが、それでも彼はベンチで仲間を鼓舞し続ける姿勢を貫いた
西尾さんはその姿を見て「みんなのために頑張っている姿がかっこいい」と力をもらったという
近藤選手は「私が会うことで勇気を与えられたのなら、嬉しいです」と語り、西尾さんも「日本を代表するプロ野球選手が近くに感じられる幸せをこれからも感じさせてほしい」と、彼のさらなる活躍を期待している
西尾彰人さんと近藤健介選手の出会いは、スポーツが人々の心をどのように繋ぐことができるかを示す素晴らしい例です。難病を抱えながらも、彼は近藤選手の活動から勇気を貰っており、選手もまた彼の存在から刺激を受けています。こうした交流が、さらなる勇気や感動を生むのだと実感します。
キーワード解説
- 左心低形成症候群とは?この病気は、心臓の左心室が正常に働かないため、血液がうまく循環しない状態を指します。治療には複数回の手術が必要とされています。

