ヤクルト・川端慎吾、20年間のプロ野球人生に幕を閉じる

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◇記者コラム「Free Talking」 「雀百まで踊り忘れず」

今季限りで現役を引退するヤクルト・川端慎吾内野手(37)は、謙虚に野球をすることを信条に20年間のプロ野球人生を歩んできた

それは、市和歌山商(現・市立和歌山高)時代に指導を受けた恩師・真鍋忠嗣監督の教えだった

川端選手は、その柔和な笑顔と物腰の柔らかさで知られ、人徳に恵まれたプロ野球選手でもあった

引退を表明した9月27日、広島戦では代打として出場

三塁側の広島ベンチの最前列には、彼の恩師である小園選手の姿があり、恩ある先輩の打席をじっと見つめていたという

この姿は、川端選手がどれだけ多くの選手に影響を与えてきたかを示すものだ

川端選手は、巧みなバットコントロールが持ち味で、入団10年目の2015年には首位打者と最多安打のタイトルを獲得した

彼のプロ野球人生は、数々の挑戦や苦闘の連続でもあった

特に度重なる怪我への対処が大きなテーマで、2017年と2020年には腰の手術を受けている

「リハビリが一番苦しかった」と述懐し、何もできない苦痛に苦しんだ日々を語った

それでも川端選手は決して諦めることはなかった

21年には代打として復活し、プロ野球記録に迫るシーズン30安打を記録した

持ち味の勝負強さを発揮し、チームをセ・リーグ優勝に導く重要な立役者としての役割を果たした

また、オリックスとの日本シリーズ第6戦では延長12回に代打で決勝打を放ち、その勝利が日本一を決定づけることとなった

今季は2軍でのトレーニングに重きを置いていた川端選手だったが、若手に向けた思いは強かった

「もっとガツガツと1軍で活躍するという気持ちを前面に出して、僕たちに伝わるくらいやってほしいと思っていました」と述べ、若い選手たちへの期待を寄せていた

彼の背中から学び、若手選手たちが成長していく姿を見守ることがファンにとっての新たな楽しみになるだろう

(ヤクルト担当・小林良二)川端選手の引退は、プロ野球界における彼の存在の大きさを再認識させる出来事です。謙虚さや努力を重視した姿勢は、多くの選手にとって模範となるものでした。若手選手たちに与えたメッセージも、今後の彼らの成長につながることを期待したいです。
キーワード解説

  • バットコントロールとは?バッターがボールを打つ際に、バットを巧みにミートさせる技術のこと。
  • リハビリとは?怪我や病気から回復するために行われる治療や訓練のこと。
  • 代打とは?試合中にスタメン(先発出場)の選手に代わって打席に立つ選手のこと。

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