この勝利により、ソフトバンクは対戦成績を2勝1敗とし、シリーズの流れを掴んだものの、プロ野球のエース対決として注目されたこの試合では、両チームに多くの課題が浮き彫りとなった
試合は、初回に阪神が先制点を得る場面からスタートした
ソフトバンクの投手・モイネロは、その後ピンチを迎えるも持ちこたえる
しかし、ネット裏で観戦していた中日スポーツの評論家、福留孝介さんは「屋外の土の内野での試合は、ソフトバンクにとって厳しい環境」と振り返った
特に初回、阪神の佐藤輝が放った右越えの二塁打は、ソフトバンクの右翼手・柳町が目測を誤り、早い出足で捕球できずに先制点を許した
また、4回には栗原が併殺を焦って守備ミスを犯し、7回には山川の失策と海野のパスボールでピンチが生まれた
福留さんは、「甲子園の風に加えて、選手たちの慣れないプレーが目立った」と分析し、試合展開がソフトバンクにとって不利に働いたことを指摘した
さらに、攻撃面でも課題が見え、3回と5回には牧原が二塁打で出塁するも、続く海野による空振り三振そして挟殺プレーのミスが影響し、得点の機会を逃してしまった
「投手が9番に入ることで、ソフトバンクは通常のDH制に慣れた打撃スタイルができなかった」と福留さんは続けた
ソフトバンクにとって、この試合は甲子園の特異な条件下での戦術の課題を浮き彫りにするものであり、残りの試合での「甲子園対策」が今後の鍵となるだろう
今回のソフトバンクと阪神の試合は、一見すると逆転勝利を収めたソフトバンクが優位に立っているかのように見えたが、実際には甲子園という特異な環境に苦しんでいた様子が伺えた。福留さんの分析からもわかるように、ソフトバンクは普段のDH制に慣れきったスタイルを変えられず、戸惑いながらのプレーが多かった。今後の試合では、これらの課題を如何に克服するかが勝利の鍵となるだろう。
キーワード解説
- モイネロとは？：ソフトバンクのエース投手で、速球と変化球を駆使して打者を打ち取る実力派。普段はDH制でプレーする打撃側に配置されるため、緊張感が増す。
- パスボールとは？：捕手が投球を捕球できず、ボールが後方に逸れてしまうミスのこと。これにより走者が進塁する可能性が高まる。
- 併殺とは？：1つの守備プレーで2人の走者をアウトにすること。主にゴロが打たれた際に行われ、守備側の巧みな連携が要求される。
- DH制とは？：指定打者制度の略。投手の代わりに打撃を担当する選手を指名できるルールで、戦略が柔軟になる一方で、守備要素が欠如することになる。
