相川亮二新監督(49)率いるDeNAの秋季練習を見て、つくづく実感した
とりわけ感じたのは、実戦さながらにコーチから打者にサインが伝えられたケース打撃
攻撃陣は1死二、三塁でツーランスクイズを仕掛けたり、1死三塁でエンドランを試みたりした
一方、守備陣は失点の阻止を図りつつ、一つのアウトを確実に奪うプレーを徹底していた
攻撃陣が試した作戦は、いずれもチームが打ち出してこなかったもの
相川監督は「自分たちはやらないことも相手はやる可能性がある
全て洗い出して知識として持っておく」と説明した
攻守の連係や作戦を実戦で確かめるため、紅白戦は走者や点差を設定した形で行われた
相川監督は、現役時代に球団前身の横浜、ヤクルト、巨人で通算23年間プレーし、日本球界を代表する捕手として活躍した
その後、DeNAでは三浦前監督のもとでコーチとして作戦面や守備面の参謀役を歴任
上位争いの常連となったチームを支えてきた
「『今季は』じゃなくて『今までずっと』」と指摘する通り、1点を争う展開における攻守の緻密さは積年の課題だ
歴戦の元捕手らしく「バッテリーを中心とした投手力が鍵」と強化ポイントを挙げる
11月2日から19日まで行われた若手主体の秋季練習では、連日チームプレーの強化に取り組んだ
「春からでは遅い
今すぐ全てが理解できるはずもない」と連係の意識を根付かせようとした
リーグ2位だった今季は、独走優勝を許した阪神に8勝14敗3分け
6つの負け越しを喫したが、25試合で57得点、67失点と競っており、14敗のうち2点差が4試合、1点差が5試合を占めた
相川監督は「僅差の中でやる野球で阪神に上回られたというのが結論
阪神との差は大きいという人もいるかもしれないけど、僕はそんなにないと思う」とみている
チームの中心を担う筒香選手は「相川さんがどういう野球をするのか楽しみ
捕手出身で細かい野球、野球脳にたけている方
勝負勘がまた違ったところで出てくると思う」と期待を寄せている
また、正捕手の山本選手は「(コーチ時代は)キャッチャーに口酸っぱく、細かいところを詰めていくという話をされていた
監督の理想とする野球ができれば優勝が見えてくると思う」と話した
強打のDeNAらしく打ち勝つ野球にとどまらず、いかに接戦をものにできるか
相川監督は繰り返し言う
「当たり前のことができるかどうか」
凡事徹底を実現できれば、頂への道は開けるはずだ
(鈴木智紘)DeNAの相川新監督の秋季練習では、攻撃と守備双方の強化が強く意識されている。特に実戦を想定したサインやプレーの導入によって、チーム全体の戦略的なスキル向上が期待され、接戦での勝利を収めるための取り組みが行われている。
キーワード解説
- 攻撃とは?:攻撃とは、野球において得点を挙げるために、選手がバットでボールを打って、塁を進む行為を指します。そのための作戦やプレースタイルが非常に重要です。
- 防御とは?:防御とは、相手チームが得点するのを防ぐために行うプレー全般のことを言います。ピッチャーや守備陣がその役割を担います。
- サインとは?:サインとは、選手同士がプレーを指示し合うための合図のことです。これにより、どのように攻撃や守備を行うかを決めます。
- ツーランスクイズとは?:ツーランスクイズとは、得点が2点入る可能性がある状況で行われる、バントでの得点を狙う戦略です。打者がバントをすることで、走者をホームに還す狙いがあります。
- エンドランとは?:エンドランとは、攻撃の形態で、走者がスタートを切るタイミングと同時に打者がボールを打つことで、進塁を図る作戦です。

