彼は昨年10月に稀少疾患「ランゲルハンス細胞組織球症」と診断され、その後の治療を経て寛解し、現在は3軍で投球を行っている
病気との闘い
「ランゲルハンス細胞組織球症」とは、体内の免疫系に問題が生じ、特に骨や皮膚に影響を与える疾患で、成人男性においては100万人に1人とされる希少疾患である田上選手はこの病気を昨年2月の春季キャンプ中に発症し、背中の不調を感じていたが、MRI検査を受けた結果、背骨が侵されていることが判明
その時の心の葛藤を語り、「そもそも野球ができないのか?」という不安でいっぱいだった
康復と再起への思い
療養を続け、家族や友人の支えを受けつつ、田上選手は三ヶ月の後、寛解を果たした昨年の10月に病気の公表を行った際には、同じ病気を抱える人々から多くの励ましのメッセージが寄せられ、「もう一度投げる姿を見せる」という強い意志が芽生えた
この意志は彼を支えている大きな要素となっている
現在の状況
2023年シーズンからは3軍で先発を務め、四国・愛媛戦では4回5失点と苦しい結果ではあったものの、彼は練習に励み、球速148キロを記録斉藤3軍監督も「出力は上がってきた」とその成長に期待を寄せている
課題として、制球力を挙げており、「強い真っすぐの精度を向上させていく必要がある」と語る
仲間との絆
田上選手は同じ高校出身の岩崎選手(ドラフト6位のルーキー)と再びチームメイトになる喜びを語り、寮生活では互いに支え合っている様子を明かした「彼がいるおかげで孤独を感じない」と感謝の思いを込めた
田上選手は、「やっと戦えそうなものが出てきた」と自信に満ちた表情で語り、再び1軍でのプレーを目指して邁進している
この復活劇は、彼を支えてくれた人々への恩返しの機会とも信じている
田上選手の復帰ストーリーは、彼の強い意志と周囲のサポートが相まって成り立っている。病気を克服した選手が再びグラウンドに立つ姿が見られる日を、ファンとして楽しみにしている。彼の成長は今後のプロ野球界にとっても大きな楽しみとなるだろう。
キーワード解説
- 育成選手とは?:プロ野球において、育成選手とは正式な選手契約を結ぶ前の段階の選手で、チームが将来性を見込んで育てていくための位置付けを持つ選手を指します。
- ランゲルハンス細胞組織球症とは?:体内の免疫細胞が異常を起こし、特に皮膚や骨に影響を与える希少な疾患。適切な治療で寛解が期待される疾患である。
- 制球力とは?:ピッチャーが投げたボールが、狙った場所に正確に届く力のこと。制球力が高いと、多様な投球戦略が使える。

