わずか10秒で終わった儀式
2001年9月27日、東京ドームで行われた巨人対広島戦は、巨人にとって厳しい状況を象徴する試合となったこの試合の結果、ペナントレースを逃すことがほぼ確実となり、ロッカールームには重苦しい空気が漂っていた
そんな中、ヘッドコーチである原辰徳は、いつも通りに監督室へ入った
原がノックした後、監督室からの甲高い声に応じて、ドアを開けると、そこには長嶋茂雄監督が座っていた
原が入室すると、長嶋は驚くべき言葉を投げかけた
「おめでとう
来年からキミが巨人の監督に決まったよ」と言いながら、力強く原の右手を握った
このわずか10秒のやり取りが、原の新たな監督生活のスタートを告げるものであった
原はこの瞬間を振り返り、「まったく実感が湧かなかった」と述べている
長嶋監督は原をヘッドコーチに昇格させた2000年から、監督交代を意識しながら準備を進めていた
特にシーズン終盤には、選手交代から攻撃の采配を全て原に任せることで、彼を“卒業試験”として試していた
「選手を見る目がありましたから」と長嶋は語り、原の監督としての資質を高く評価していた
この信頼のもと、9月28日には公式に長嶋監督の勇退と原新監督の就任が発表された
長嶋茂雄と原辰徳の監督交代は、巨人軍の歴史における重要な出来事です。特に、わずか10秒で行われた監督交代の儀式は、両者の深い信頼関係を象徴しています。原が監督に就任するまでのバックストーリーが明らかにされ、巨人のファンにとって感動的な瞬間となりました。
キーワード解説
- ヘッドコーチとは?
- ペナントレースとは?
- 卒業試験とは?

